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投資すべてがそうであるように、不動産投資には失敗する可能性があります。失敗を恐れて手を出しづらい方もいるでしょう。
しかし、失敗の要因や成功のポイントを知っておけば、不動産投資の成功率を上げることができます。
この記事では、これから不動産投資をはじめる方や不動産投資に興味がある方に向けて、成功率を上げるために知っておくべき、不動産投資の失敗の要因や成功のポイントについて解説します。
利益を生み出す不動産投資の成功率とは?
不動産投資をはじめようと考えている方には「働きながら不労所得も得たい」「家賃収入だけで生活したい」と考えている方がいます。仮に、この2つを目的とした場合、それぞれの達成がどれくらい難しいものなのかを考えていきましょう。
働きながら不労所得も得たい
生活費の足しにしたい、老後の資金を貯めておきたいなどの目的のために、副収入を得たいと考えた場合、働きながら、副業として不動産投資を行うことになります。その場合、毎月少額でも利益が出れば、投資として成功といえるでしょう。
ただし、本業があると不動産の管理・運営に時間をさけないため、管理会社に任せることになります。副業として不動産投資をはじめる際は、管理委託費などの諸費用まで考えた収益シミュレーションをおこなうことが大切です。
家賃収入だけで生活したい
不動産投資だけで生計を立てられるほどの家賃収入を得るには、複数の不動産に投資する必要があります。ただし、投資する物件が増えるとそれだけ投資金額が大きくなり、比例してリスクも高まります。
また、短期間で複数の不動産を所有するには多額の資金が必要になるほか、限られた資金のなかで、ローンを返済しながら徐々に投資物件を増やす場合、長い時間がかかります。家賃収入だけで生計を立てるには資金力や時間が必要となるため、成功率は低いといえるでしょう。
目標が高いほど成功率は低くなりやすい
目標とする家賃収入額が多ければ、その分成功率がさがります。もし年収1,000万円の人が、仕事を辞め家賃収入だけで年収1,000万円を得るためには、単純計算ですが、年間の実質利回りを2%と仮定した場合、5億円の不動産に投資することになります。
不動産投資はなぜ失敗する?
不動産投資に限らず、投資は、リスクと常に隣り合わせです。このリスクを少しでも減らせるよう、よくある失敗例をみていきます。
物件を相場よりも高値で購入してしまう
不動産は相対取引であり、「適性価格」が明示されているわけではありません。そのため、物件を相場より高価で購入してしまうケースがあります。
不動産業者の勧める物件が、必ずしもすべて好条件であるとは限りません。不動産業者も商売であり、利益をあげるためにはどのような物件でも売ろうとします。そのため、業者によっては一般的に価値が低い物件への投資を勧めてくる場合もあるため、注意が必要です。
相場より高価で物件を購入すると、利益をあげるためには家賃を高く設定する必要がありますが、家賃が高いと入居者を獲得しづらく、空室リスクが高まります。こうした失敗を防ぐためにも、普段から不動産サイトをチェックする、収益還元法(※)を理解するなど、相場観を養っておくことが大切です。
(※)収益還元法:不動産の将来的な収益をもとにした不動産価格の算出方法
空室が埋まらない
空室が続いてしまうと、家賃収入を得られません。そのため、利益をあげることが難しくなります。
たとえば、ファミリー層が中心のエリアでは、持ち家率が高く、もともと賃貸ニーズは低い傾向にあります。そのような立地の物件で退去者がでると、なかなか空室が埋まりません。
また、学校や商業施設の移転・閉鎖などで環境が変わり、空室リスクが高まることもあります。
周辺エリアを基にニーズを把握することや、将来的な地域開発の可能性などを考慮して物件を選ぶことが重要です。
キャッシュフローを考慮できていない
不動産投資におけるキャッシュフローは、基本的に下記のような計算方法で表します。
家賃収入-(ローン返済額+管理運営費+税金)=手元に残る額
たとえば突然の修繕が発生したり、長いあいだ空室が発生したりと、不動産投資は、計画どおりにいくとは限りません。ある程度の「想定外」を見越した、強固なキャッシュフローの構築が成功のカギです。
不動産投資の成功率をあげるポイントとは?
不動産投資における「よくある失敗」をみてきましたが、その失敗を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。失敗を防ぐ=成功率をあげるポイントをみていきましょう。
まずは情報収集!
物件選びに失敗しないためには、情報収集は必須です。不動産投資に関する知識や物件選びの方法を学べば、不動産投資の成功率は高まります。
物件の購入を検討する際は、エリアの開発状況や家賃相場など、物件の周辺情報を調べましょう。新駅設置や路線の廃止、学校や病院など公共施設の統廃合などの環境の変化は、入居率や家賃、想定する入居者像に大きな影響をおよぼします。
リスクを考慮した計画を立てる
一般的に、賃貸物件は新築が好まれます。そのため、時間が経過し、築古物件となった際には、築浅物件との競争力を維持するために家賃を下げることがあります。
このようなことも考慮し、長期的な視点で不動産の収支計画を立て、定期的に見直すことが大切です。
慎重にローンを組む
不動産投資は、フルローンでおこなうことも可能です。ただしその場合、返済負担率があがり、不測の事態が発生すると、たちまち赤字になってしまうことがあります。
すべての資金をローンに頼らず、自己資金を準備して頭金を多めに入れることで、余裕のある運用が可能となるのです。
分からないことは積極的に相談
初めての不動産投資では分からないことも多いでしょう。不動産投資をはじめる前にはセミナーへの参加や不動産投資会社での面談、投資経験者に話を聴くことなどがおすすめです。基本的な不動産投資のノウハウや、プロからのアドバイスを直接聞くことができます。
最初は少額の投資から始める選択肢も
不動産投資の経験がなければ、いきなり数千万円単位で投資をすることには抵抗があるかもしれません。そのような場合、最初は少額の投資がおすすめです。ノウハウを学び、自信がついたら徐々に金額を大きくするとよいでしょう。
近年では不動産投資クラウドファンディングや不動産小口化商品など、新しい不動産投資の形式が登場し、少額から不動産投資に挑戦できるようになりました。少額投資であればリスクも低く、はじめての不動産投資としてもおすすめです。
まとめ
不動産投資の難易度は目的によって変わります。副収入を目的とした投資であれば難易度は比較的低い一方、家賃収入だけで生計を立てようとすると、難易度は一気に高まります。
ただし、よくある失敗例と、失敗を防ぐポイントを知っていれば、成功率をあげることができます。
不動産投資をはじめる前には、セミナーに参加するなど、事前にしっかりと情報を仕入れておくことが大切です。
また、不動産投資の経験がない人は、少額から開始できる不動産クラウドファンディングなどではじめるのもおすすめです。