不動産投資を行う際、新築不動産と中古不動産で迷う方もいるでしょう。どちらにもメリットとデメリットがあるため、事前に確認したうえで検討する必要があります。また、不動産投資の利回りについても理解することが大切です。この記事では、新築と中古それぞれのメリット・デメリット、不動産投資の利回りについて解説します。
「新築不動産」に投資するメリット
入居者が集まりやすい
新築不動産の場合、高い入居率が期待できます。新築不動産は最新の設備が導入されており、外観や内装が美しいため人気を集めやすい物件です。また、多くの人が入居を希望するため、空室リスクを抑えることにつながります。
節税効果が高い
高い節税効果 も魅力的です。新築不動産は減価償却の期間が長く、不動産購入費の一部を長期的に経費化できる可能性があります。また、一定の条件に当てはまる不動産であれば、固定資産税の減額も受けることができます。
「新築不動産」に投資するデメリット
物件価格が高く、値下がりしやすい
新しくてきれいな新築不動産は、どうしても物件の取得価格が高くなります。積極的に宣伝している不動産であれば、物件価格に広告費なども上乗せされます。ローンを組む場合は、しっかりと返済計画を立ててリスクを回避しなければなりません。 また、新築不動産は、中古不動産よりも物件価格の下落幅が大きい傾向にあります。特に、建築後10年間は下がりやすいため注意が必要です。
入居率や利回りの予測がしにくい
新築不動産を運用する場合、過去の実績を参考にできないため、相場や周辺にある不動産の情報をもとに、予想するしかありません。実際に運用した結果、シミュレーション通りに進まない可能性も想定しておく必要があります。
「中古不動産」に投資するメリット
物件価格が安い
中古不動産は広告費がかからず、物件の取得価格が低いため購入しやすい物件です。ローンを組んだとしても返済期間は短く、少ない負担で済むでしょう。うまく運用すれば高い利回りが期待できます。
利回りの予想がしやすい
過去の実績を参考にできる点も大きなメリットです。たとえば、家賃額や修繕の頻度、入居・退去のタイミングなどを確認すれば、運用計画の正確性も高まり計画的な投資ができます。
「中古不動産」に投資するデメリット
ローンが利用しにくい
中古不動産には、資産価値が低く住宅ローンを受けにくい物件もあります。ローンを利用できなければ物件の取得費用は自己負担となってしまい、不動産投資のメリットの一つであるレバレッジを効かせた投資ができません。
表面利回りと実質利回りの差が大きい
中古不動産は新築不動産よりも利回りが高いとされています。しかし、物件の状態次第では定期的な修繕を行うため、想定外の支出が増える 可能性もあります。結果的に、表面利回りと実質利回りの差が大きくなるでしょう。
不動産投資の利回りとは
不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りとは、年間の家賃収入で物件の取得費用を何%回収できるか指標となる数字です。計算方法は「年間の家賃収入÷物件の取得価格×100」です。 たとえば、年間の家賃収入が400万円で取得価格が4,000万円の場合、表面利回りは「400万円÷4,000万円×100」で10%と算出できます。 一方で、実質利回りは不動産の運用にかかるさまざまな経費も考慮した数字です。計算方法は「(年間の家賃収入-年間の経費)÷(物件の取得価格+諸費用)」です。経費や諸費用には、固定資産税などの税金や修繕費、仲介手数料や火災保険料などが含まれます。 不動産投資における表面利回りの目安は、地域や物件の大きさ、築年数など条件次第で異なります。都内のワンルームマンションの場合は4%前後、地方都市のワンルームマンションの場合は5~5.5%程度が目安です。 なお、都市部であるほど不動産の取得価格は高い傾向にあり、その分利回りは低くなります。ただし、利回りが高ければ良いわけでもありません。相場とかけはなれた利回りの場合、入居者を集めにくい地方の物件であることや駅から遠いといったデメリット がある可能性があるため注意が必要です。 参考:一般財団法人 日本不動産研究所『第44回不動産投資家調査』
まとめ
不動産投資を行う場合、不動産の種類を選択する必要があります。新築不動産と中古不動産にはそれぞれメリットとデメリットがあり、自己資金の額や不動産投資の経験などにより選ぶ不動産は異なります。
新築不動産では、物件価格、借入金、 中古不動産では、修繕費、空室リスクなど、さまざまな視点から比較を行い、物件の収益性を確かめて最適な選択をしましょう。 不動産投資を成功させるためには、諸経費を含めた実質利回りも把握することが大切です。