少額不動産投資の種類
少額で行える不動産投資にはいくつか種類があります。この項目では、それぞれの方法と特徴について解説していきます。
不動産クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、
インターネットの専用サイトを通して、プロジェクトを紹介して出資者を募集することで費用を集め、金額に応じた対価をリターンとして提供する仕組みのことです。
不動産クラウドファンディングは、投資家を対象にプロジェクトが発案され、集まった資金を利用して不動産運用が行われます。
そして、
不動産会社が得た利益を分配するシステムとなっており、利回りは年3~4%程度を目標としているケースが多いです。
集められる資金の目標額はプロジェクトごとに違い、目標に到達すると受付が終わるため、投資家から注目されて人気のあるものは簡単に投資することができません。
出資額によって待遇が変わり、多くの資金を提供することでリターンが大きくなりますが、損失した場合はリスクも高まります。
基本的にはインターネット上で取引が完了するため、誰でも簡単に参入できるのが魅力です。
少額不動産投資の中でも特に少額で始められて豊富なプロジェクトがあり、会社によっては1万円からでも投資ができます。
運用期間は1〜5年程度と短い傾向にありますが、選べる物件数が多く、通常の不動産経営のように管理や運用をする必要はありません。
短期間で手軽に分配金を受け取りたい方にはおすすめの方法です。しかし、あくまで投資ですので、元本保証や分配金の保証があるわけではなく、元本割れのリスクがあることは念頭に置いておきましょう。
またクラウドファンディングという性質上、運用している期間は投資金額を換金できないため、資金が必要になっても引き出すことができません。そのことから、
余裕資金で投資を始めてみたい方に向いている手法だといえます。
※余裕資金とは…光熱費、食費、雑費など日常生活に欠かせない費用以外の資金のこと。
不動産小口化商品
特定の不動産に対して複数の出資者が投資する方法のことです。投資額が分散されるため少額で始めることができるのが特徴です。
たとえば、5000万円の不動産を50口に分けて、1口100万円で購入する。といったイメージで、収益を購入者で分け合う仕組みです。
対象となる物件は主にマンションやオフィスビルで、出資した人たちの共同所有物となりますが、管理や運用自体は管理会社が行うためオーナーとしての仕事はありません。
ほかの少額不動産投資とは違い、直接所有という形になりますので、取得税・固定資産税・都市計画税などを支払う必要があります。
そのため、通常の不動産と同じように相続税対策としても利用できる投資方法です。
収入のメインは分配金で年3〜4%程度の利回りが相場とされていますが、所有権もあるため売却して利益を得ることもできます。
一般的には1口100万円が最低ラインになるので少額不動産投資の中では高額な投資です。
単独で所有した場合と比べると利回りは低くなりやすいですが、通常個人では購入できないような物件に投資できます。
元本割れのリスクはあるものの、個人では手が出せないような将来性のある不動産を選ぶことができるのは魅力的でしょう。
REIT(不動産投資信託)
REITは
不動産が扱っている金融商品で、出資者から資金を集めて不動産投資会社が運用するシステムです。
少額投資としてはポピュラーな手法で、不動産運用のプロが管理・運用し、家賃や売却益を元にした分配金により収入が得られます。
1口数万円という単位で投資でき、マンションなどの住宅以外にも商業施設やホテルリゾートなど幅広い商品が選べるのが特徴です。
利回りは平均して年4%程度ですが、高利回りの商品も用意されており、種類の豊富さから分散投資もしやすくリスクをコントロールできます。
日本は独自のシステムを構築していることから「J-REIT」とも呼ばれており、人気の高い投資方法です。
上場市場で取引が行われ、株式と同じようにリアルタイムな売買が手軽に行え、運用の手間も要りません。
クラウドファンディングよりは資金の最低ラインが高くなりますが、換金性が高く現物よりも圧倒的に少額で始められる魅力があります。
ただし株式市場の影響を受けやすく、元本割れや自然災害などで利回りの悪化などのリスクには注意が必要です。
少額不動産投資のメリット
少額不動産投資には具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
少額なので手軽にはじめることができる
少額不動産投資は1口いくらと資金の計算がしやすく、最低1万円程度の少額から始められます。
投資額を少ない単位でコントロールしやすく、失敗したとしても損失が最小限に抑えられる点も重要です。
通常の不動産投資では、多額の資金が必要になるだけではなく、物件の管理や運用もしなければなりません。
不動産を所有すると責任もともない、さまざまなノウハウがなければ利益の出る資産運用は難しいでしょう。
また、分散投資はリスク軽減のために重要とされますが、一般的に不動産はひとつ当たりの投資額が大きいため、初心者のうちに複数所持するのは簡単ではありません。
その点、
少額不動産投資は手間や責任がなく、リスク分散もしやすいことで初心者でも安心して始められます。
さらに、資金に余裕が出て投資に慣れてくれば、少しずつ投資規模を大きくして、より多くの利益を追求することも可能です。
ローンを組まなくて良い
通常の不動産投資には数千万円が必要になりますので、ローンを組むことで足りない資金を補うのが一般的です。
ローンには利息が発生し、借りた費用以上に支払う必要があるため、できる限り借金する金額は少ない方が効率的となります。
また、
赤字になった場合でも毎月返済しなければならないため、キャッシュフローを考えながら計画的に運用しなければなりません。
返済ができなくなると、物件の差し押さえなどが執行されることもあり、残ったローンは自身の収入から返していくことになるのです。
大きなレバレッジをかけられるというメリットはありますが、不動産投資をこれから始める場合はリスクが大きいでしょう。
そこで少額不動産投資であれば、ローンを組まずに支払える範囲での投資が可能です。
大きなリスクを背負う必要がないことで、誰でも安心して始めやすい投資だといえます。
少額不動産投資を成功させるためには
少額不動産投資はリスクが少ないとはいえ、できる限り成功する可能性は高めたいものです。そこで、最後に成功率を上げるためのポイントについて紹介します。
リサーチを徹底
通常の不動産投資と同じように不動産営業担当の言葉だけではなく自分でもリサーチすることが大変重要です。
資金や管理面で気軽に始められるからといって、「良いらしい」など曖昧な情報を信じて投資するべきではありません。
少額であっても投資には変わりないので、
書籍などで不動産投資について学び、実際に物件を見に足を運ぶなどして、総合的に検討して決断することが大切です。
また、現実味のある理想的な投資プランも事前に考えておくことで、目標に合わせた判断や行動がしやすくなります。
「少額」を意識する
投資を始めてみると、
欲が出てきて予定よりも大きな金額を運用したくなることがあります。
特に利益が出ると、より大きな収入を生み出すために投資額を増やしたくなると思いますが、その分リスクが増えることも忘れてはいけません。
余裕資金の範囲内での投資であれば問題はないでしょうが、
生活に支障をきたすほどの負担を抱えることのないように「少額」をしっかりと意識した投資を心がけてください。
また、リスクを軽減するためには分散投資が重要となります。
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まとめ
少額不動産投資は、通常の不動産と違いローンを組まずに誰でも手軽に始められるメリットがあります。
投資を成功させるポイントとしては、自ら情報を収集するように動き、計画的に少額の投資を心がけることです。
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