【世帯平均】収入の3割を貯金している
総務省により発表された「家計調査 家計収支編(2020年)」で、世代別の収入や可処分所得、預貯金の金額などを知ることができます。※「預貯金」…銀行に預けること
収入に対する貯金の割合、つまり貯蓄率とは、収入から税金や社会保険料を引いた可処分所得(手取り収入)に対する預貯金の割合です(預貯金÷可処分所得×100)。ここで総務省の統計データから、年齢別の貯蓄率をみていきます。
年齢 |
収入(円) |
可処分所得(円) |
預貯金(円) |
貯蓄率(%) |
29歳以下 |
373,493 |
313,044 |
132,637 |
42.4 |
30歳代 |
529,351 |
441,796 |
153,934 |
34.8 |
40歳代 |
609,163 |
491,546 |
155,147 |
31.6 |
50歳代 |
609,587 |
483,152 |
145,203 |
30.1 |
60歳代 |
436,045 |
362,257 |
105,341 |
29.1 |
勤労世帯全体の2020年度の貯蓄率は平均38.7%となりますが、この数値はやや高めといえます。2020年は新型コロナウィルスの蔓延による外出自粛で消費活動が減少し、特別定額給付金(一人10万円)の支給で収入が増えたことから、例年より数値は高めとなっているようです。
とはいえ、29歳以下では手取り収入の約4割を貯金に回しているなど、
若い世代ほど貯蓄率は高くなる傾向が伺えます。また、一般的なリタイア世代である60歳代で29.1%を示すことからも、
全世帯を通じて貯蓄率3割がひとつの目安です。
もちろん、年齢や収入などの条件が同じだとしても、実家暮らしかひとり暮らしかどうか、配偶者や子どもがいるかどうかなど、
世帯の状況に応じて貯金できる金額は変わります。上記の表は「勤労者のいる世帯の貯蓄率」の平均を示したものなので、
自分に合った目標を設定するといいでしょう。
出典:総務庁「家計調査 家計収支編(2020年)
【年収別】350万円以下は収入の2割を貯金している
先ほど年齢別の貯蓄率を紹介しましたが、年功序列が必ずしも通用しない現在では、年齢にとらわれず「収入」で貯金に回す割合をみることも大切です。
そこで、同じ総務省の統計データから、今度は年収別の貯蓄率も確認しておきましょう。
年間収入 |
可処分所得(円) |
預貯金(円) |
貯蓄率(%) |
350万円以下 |
218,232 |
58,109 |
26.6 |
350万~494万円 |
314,233 |
85,901 |
27.3 |
494万~660万円 |
399,711 |
123,153 |
30.8 |
660万~872万円 |
509,237 |
169,755 |
33.3 |
872万円以上 |
718,546 |
255,354 |
35.5 |
上記表から、
年収が増えるにつれて貯金の割合も高まる傾向があるとわかります。
実際、3割の貯蓄率で手取り収入18万円と手取り収入35万円を比べてみます。それぞれの貯蓄額は5万4千円と10万5千円で、18万円の方は12万6千円、35万円の方は24万5千円で生活費を賄うことになります。前者にはやや余裕がなく、後者はさらに貯金に回せる可能性が高くなると考えられます。
データは新型コロナウィルスの蔓延により貯蓄率の数値が高くなっている2020年のものなので、その点を考慮して考えた場合、
年収がやや少ない方は10~20%、平均的な年収の方は30%前後、年収がやや高い方は30~40%を目安にするといいでしょう。
ただし、年収別にみた場合でも家族構成などの世帯状況が貯蓄率に影響します。また収入が増えると生活水準もあがるため、貯蓄率が思うように上がらないという方も珍しくありません。
自身の現状を把握して目標設定を行うようにしましょう。
収入から貯金の割合を多くする3つの方法
世代や年収によって差はあるものの、貯蓄率3割がひとつの目安であることを先ほどお伝えしました。中には3割も貯金に回せないと感じている方もいるでしょう。しかし、老後資金が問題にされる今、貯蓄率はできるだけあげておきたいところです。
そこで、収入から貯金できる割合を増やすのに効果的な3つの方法を紹介します。
1. 支出を見直して減らす
もっとも手っ取り早い方法が支出を減らすことです。
支出は、毎月ある程度決まった金額の固定費(通信費や保険代、家賃、水道光熱費など)と使い方によって変わる変動費(食費や娯楽費、交際費、医療費など)にわかれています。一見すると
変動費のほうが節約しやすく感じられますが、支出削減のカギを握るのは固定費です。
変動費はその都度節約を意識し続けなければならず、精神的な負担が大きいため、継続が難しいものです。しかし、
固定費は一度見直すだけで節約効果が続くため、難なく節約生活を達成できるでしょう。
さらに、スマホ代や保険代など、固定費には月々の支払いが高額な費目が多いので、変動費よりも大きな支出削減効果を期待できるのです。
2. 副業で収入を増やす
働き方改革やコロナ禍がもたらした就業難から、副業を容認する企業が増えています。
会社から副業が認められているなら、本業以外でお金を稼ぐのもいいでしょう。
副業といっても別の会社に就業する方法だけではありません。仕事で得た知識や経験、趣味、特技などを利用して、アフィリエイトに挑戦したり手作りの物品を販売したりなど、
スキマ時間を活用して稼げる副業はいろいろあるので、試してみる価値はあります。
また、副業以外にも、契約社員やパート、アルバイトの方であれば、
正社員や転職によって収入を底上げする方法もおすすめです。
3. 資産運用で増やす
支出を減らすのも副業で収入を増やすのも、自分自身が動くことで達成できるものです。一方、
「お金を働かせる」と呼ばれる資産運用は、一定のリスクはあるもののお金を増やせることが期待できます。
資産運用にもさまざまなものがありますが、ここでは
毎月の負担を自由に選べて、さらに非課税や配当などのメリットで注目されているものを紹介します。
つみたてNISA
つみたてNISAは、2018年1月よりスタートした積立投資専用のNISA(少額投資非課税制度)です。一般のNISAと同様、投資で得た
配当金などの利益が非課税となります。通常は利益の20.315%に税金がかかると考えれば、かなりお得であることがわかるでしょう。
積立投資を対象としているため、コツコツと資産を増やしたい、じっくりと運用したい、そんな方にぴったりです。
ただし、つみたてNISAには制限があり、
投資上限額は年40万円、非課税となる期間は最長20年と決まっています。また制度そのものも
2042年までの時限措置という点に注意が必要です。
iDeCo(イデコ)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は個人が任意で加入できる私的年金制度です。将来の老後資金を蓄えることを目的に創設された制度で、
掛金や運用方法を自分で選ぶことができます。
税制の優遇が大きなメリットです。他にも以下のメリットがあります。
・運用益が非課税
・掛金の全額が確定申告で所得控除の対象になる
・年金の受け取り時も税制優遇を受けられます。
ただし、
iDeCoは原則として60歳になるまで、掛金を引き出すことはできません。20歳以上60歳未満の国民すべてが対象で、若いうちに加入してあとからお金を引き出せずに困るというケースも考えられます。
自身の世帯状況や収入と照らし合わせて、
無理のない範囲で利用するようにして下さい。
クラウドファンディング投資
つみたてNISA、iDeCoとも、国が設けた資産運用法で税制の優遇というメリットは非常に大きなものです。しかし、積立年数の制限や途中解約の原則禁止など、一定の制限があるため、不自由に感じる方もいるでしょう。
もっと自由に投資したい方におすすめなのがクラウドファンディング投資です。投資を通じて企業や事業を応援する新しいタイプの資産運用として、多くの方から注目を集めています。
応援型不動産クラウドファンディング「利回りくん」もそのひとつで、ペットとの共生を目指す、アクティブなシニア世代を応援するなど、
特定のコンセプトを掲げる不動産に投資を行う仕組みとなっています。
一般的に初期費用が高額になりがちな不動産投資ですが、「利回りくん」なら出資金額は
一口1万円の少額で不動産への投資が可能です。運用想定期間はおおむね10年、利回りは平均3%なので、中期的な視点で計画的に資産運用ができます。
「利回りくん」の最大の特長は、配当金を受け取れるだけではなく、自身の投資が社会貢献や地域創生といったソーシャルアクティビティになる点でしょう。応援したい相手を支援することで、自分の貯金を増やせるのです。
まとめ
世帯の状況や収入などで個人差はあるものの、収入に対する貯金の割合は、平均して3割がひとつの指標となるようです。若い世代ほど、収入が高いほど、貯蓄率は上がる傾向があるので、こうした点を考慮して自身の目標を立てると良いでしょう。
また、現時点で貯金に回せるほど収入に余裕がないという場合には、支出の見直しや副業による収入増のほか、資産運用を始めてみるのもおすすめです。
特に資産運用には、月々の投資金額は少なくても、税制面での優遇など様々な恩恵が受けられるものもあります。最近は応援型不動産クラウドファンディング「利回りくん」のような新しいスタイルの少額投資も登場しているので、貯蓄率アップに役立ててはいかがでしょうか。
どちらかの書式に統一をお願いします。5万4千円など