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やみくもに始めない。貯金する前にやるべきこと
計画的かつ長期にわたって貯金を続けるためには、貯金を始める前の目標設定と現状把握が大切です。ここでは貯金を始める前に考えておくことについて解説します。
いくら貯金したいか目標額を決める
貯金を始める前に、「目標貯金額」と「貯金する期間」を決めるようにしましょう。実現可能な目標貯金額を決めることで貯金のモチベーションにつながります。そのうえ、どのぐらいのペースで貯金を進めればいいのかといった指標も定まります。
また、一般的な年間の貯金額の決め方として収入の2~3割にする、生活費の3ヶ月分にするなどといった方法が挙げられます。
最適な貯金額の決め方については以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
現在の収支状況をしっかりと把握する
貯金を続けるためのコツとして、「収入-貯金=支出」を意識することが欠かせません。まずは現在の収支状況をしっかりと把握することが大切です。
その際、使途不明金を把握するように心がけましょう。使途不明金とはその名のとおり、何に使ったのか今ひとつよくわからないお金のことです。使途不明金を把握することで必要な支出かどうかを明確にできます。その中から不要な支出を減らすことで貯金に回せるお金が増やせるほか、節約意識の向上にもつながります。
家計簿アプリやノートを活用して、お金の使い方を記録することから始めてみましょう。
【貯金のコツ】1.固定費を見直す
支出を減らして貯金するためには固定費の見直しも効果的です。固定費は一度見直すだけで、長期的な節約を実現できます。
ここでは水道光熱費、通信費といったそれぞれの項目について、節約方法を解説します。
水道光熱費の節約方法
水道光熱費の見直しも、固定費の削減につながります。ここでは「電気・ガス代」と「水道代」を紹介します。
電気・ガス代
電気代やガス代を節約したい場合、まずは電力会社やガス会社の契約プランの見直しや変更がおすすめです。基本的にインターネットから切り替えの申し込みができるため、手間もかかりません。
また、電気とガスをセットプランにすることで割引を受けられるサービスが多く登場しています。そのほか、買い替えのタイミングで現在使っている家電製品をエコ家電に切り替えるのも効果的です。
水道代
水道の場合、電気やガスと異なり契約会社を変更できません。そのため、基本的には節水を心がけることです。
水を出しっぱなしにしない、シャワーヘッドを節水ヘッドに取り換える、お風呂の残り湯を洗濯に利用するなど、できることから始めてみましょう。
通信費の節約方法
昨今、ほとんどの人が携帯電話やインターネットを利用しています。固定費を見直す際は、通信費も忘れずにチェックしましょう。
スマートフォン・携帯電話料金
スマートフォンや携帯電話の料金プランが割高になっていないか、確認することが大切です。思っていたよりも高く支払っている場合、通信会社や料金プランの切り替えを検討すべきです。
インターネット利用料
まずは自宅のインターネット利用状況を振り返ってみましょう。そこまで速い通信速度を求めていない、使用頻度が少ないといった場合、ポケットWi-Fiなどに切り替えることで毎月の料金を削減できます。
【貯金のコツ】2.口座を使いわける
お金を賢く貯めるコツとして、複数の口座を使いわける方法があります。お金をひとつの口座にまとめるのではなく、固定費用や貯蓄用などにわけます。口座をわけることで貯金額を把握しやすくなります。
また、毎月の給料から決まった金額を貯蓄する先取り貯蓄もおすすめです。銀行などの定額入金サービスを利用することで、自動的に目的に応じた貯金ができます。なお、満期保険金や解約返戻金などがある保険に加入するのもひとつです。
計画的にお金を貯めるコツを知っているかどうかで、お金の貯まるスピードが大きく左右されるといっても過言ではないでしょう。口座をわけて計画的に貯金する方法についてこちらの記事で解説していますので、ぜひご参照ください。
貯金口座は分けるのがおすすめ!計画的にお金を貯めるコツを紹介
【貯金のコツ】3.資産運用する
貯金だけで資金を貯めるには相応の年数が必要です。そこで、効率的に資産を確保したい場合は貯金と並行して資産運用の検討をおすすめします。
ここでは、比較的ローリスクな2つの資産運用方法を紹介します。
つみたてNISA
NISAは少額投資非課税制度のことを指し、その中でも積立投資に特化した少額の資産運用をつみたてNISAといいます。
つみたてNISAは年間最大40万円まで投資でき、最長20年間にわたって投資信託の運用益(売却益や分配金)が非課税となるのが最大の特徴です。
なお、同様な制度に一般NISAがありますが、非課税期間が5年間(ロールオーバーすると10年間)と短いため、基本的に長期的な積立、分散を目的とした投資ではつみたてNISAを活用すると良いでしょう。
また、投資商品の幅にも違いがあります。一般NISAは商品の幅が広い反面、商品を見極めるテクニックが必要とされます。しかし、つみたてNISAであれば金融庁が定める厳しい条件を満たした商品から選ぶことが可能です。そのため、安定した利益を得たい方におすすめといえます。
投資と聞くとまとまった資金が必要になるイメージがあるかもしれませんが、つみたてNISAでは少額から投資が可能です。大半の金融機関では1,000円から投資可能で、ネット証券では100円から受け付けているところもあります。
途中で換金できますが、非課税枠の再利用ができないことに加え、損失を繰り越せない点に注意しましょう。
つみたてNISAについて詳しくはこちらの記事で解説していますので、あわせて参考にしてください。
月1万で運用するつみたてNISAのコツ!10年の積立でどのくらい増やせる?
iDeCo(イデコ)
iDeCoは老後に備えて自分で作る年金制度のことで、個人型確定拠出年金といいます。iDeCoは、日本に住んでいる20歳以上60歳未満(2022年5月から65歳に引き上げられる)であれば、雇用形態を問わずほとんどの方が加入可能です。
保険の加入資格によって年間14.4万円~81.6万円までを投資でき、拠出した金額は全額所得控除となるのが一番のメリットです。
月々5,000円の掛金から始められるほか、1,000円単位で掛金の増額もできます(ただし、掛け金額の変更は年に一度限り)。
なお、iDeCoでは受取時にも税制優遇があります。60歳以降に受給する確定拠出年金のことを老齢給付金といい、年金方式(分割)か一時金方式(一括)のどちらかが選べます。
この際、選んだ受け取り方式によって下記いずれかの控除が受けられます。
・年金方式(分割)で受け取った場合:公的年金等控除
・一時金方式(一括)で受け取った場合:退職所得控除
恩恵の多いiDeCoですが、原則として60歳になるまで引き出すことができない点に注意しましょう。
貯金は「無理なく行うこと」
貯金は資産形成のために大切なことです。しかし、無理な計画や過度な節約によってストレスを抱えてしまっては元も子もありません。
そのため、身を削るような極端な節約をするのではなく、自身にあう節約方法を選び、無理のない貯金をしていくことが大切です。
まとめ
貯金を始めるときは、やみくもに始めるのではなく、目標を定めてから始めることが重要です。
目標を設定したら、毎月の固定費の見直しや用途別に口座をわけるなどして計画的に貯金するのがおすすめです。より効率的に資産を形成したい場合は、資産運用を検討してみましょう。