1万円からロケット工場の出資者に!堀江貴文さんのロケットファンドを紹介!

実業家の堀江貴文さんが設立した日本初のロケット開発会社、インターステラテクノロジズ株式会社(IST)。本拠地である北海道大樹町にロケット工場をつくり、その出資者を「利回りくん」で募集しています。 出資すれば、宇宙開発への夢を応援しながらリターンを得ることができます。このプロジェクトについて、株式会社シーラホールディングス杉本宏之会長に取材しました。

この記事は約6分で読み終わります。

日本で初めて民間企業が単独で宇宙空間に到達

①

-まず、インターステラテクノロジズ株式会社(IST)について教えてください。

IST社は、世界中のどこよりも小型で安価なロケットをつくることをミッションとして、ロケット開発に励んでいるエンジニア集団です。

会社の始まりは、1997年に全国から宇宙が好きなエンジニアなどが集まり、民間によって低価格の超小型衛星を打ち上げるためのロケット開発構想がスタートしたことです。

堀江貴文さんはライブドア時代の2003年にこのプロジェクトに引かれてIST社を設立。

IST社は2013年11月に日本初の純民間商業ロケット「ポッキー」の打ち上げを成功させ、2019年5月に打ち上げたロケット「宇宙品質にシフトMOMO3号機」を、日本で初めて民間企業単独打ち上げで高度113.4kmの宇宙空間に到達させることに成功しました。

IST社は、独自にロケットを開発し宇宙空間に到達させた日本で唯一の民間企業です。

-「大樹町ロケットファンド」とはどのようなプロジェクトでしょうか?

IST社は、2020年12月に本拠地である北海道広尾郡大樹町の敷地内に、新たなロケット工場を建てました。

この工場では、高度100㎞まで打ち上げ後に帰還するタイプの「MOMO」数基と、2023年打ち上げ予定の超小型衛星打ち上げロケット「ZERO」1基が同時に組立可能です。工場内では、部品の製造から燃料タンクの組立、各種の計測、物資保管庫まで完備していて、ロケットを丸ごと製造できます。

その建設資金である2億9,500万円を、「利回りくん」で募集するというファンドです。

投資家は1口1万円から出資でき、工場の共同オーナーの1人として開発者たちとともに宇宙への夢をよりリアルに追いかけることができます。

しかも、工場の家賃である年間2,100万円の賃料を原資に、出資額の5.71%という利回りの分配金が得られます。IST社が手掛ける宇宙ビジネスへの応援と可能性を夢に見てリターンまで得られるわけですから、宇宙に関心のある投資家にはたまらないファンドではないでしょうか。

出資者はロケット工場に名前を遺せる。

②

-プロジェクトを組成した経緯を教えてください。

堀江さんとは昔からお付き合いがあって、「ぜひ杉本君にも見せたい」とIST社の工場見学に誘われたのです。

そこでIST社の稲川貴大社長と知り合い、「利回りくん」での建設資金の募集を依頼されました。いわば堀江さんが仲を取り持ってくれた形です。

これまでIST社は、堀江さんのネームバリューもあって、クラウドファンディングで資金を集めていました。たとえば、1,000万円を出資することでロケット発射ボタンが1回押せるとか、堀江さんとBBQが楽しめるといったものもありました。

「利回りくん」なら工場という形が残り、そこに出資者としての名前も遺せ、かつ分配金というリターンまで得られます。

同じ宇宙開発の夢を応援するなら、こちらのほうが実利があってサステナブルでもあるため、それなら「利回りくん」で投資家を集める意義があるのでは?とプロジェクトが始まりました。

-投資をする側としては、IST社が成功する可能性などが気になるところではないかと思います。

ごもっともですね。その点、IST社は宇宙空間までロケットを飛ばした実績のある、日本で唯一の民間小型衛星打ち上げ会社です。

従来の打ち上げコストを劇的に削減することで、宇宙ロケットによる商業化成功に最も近い位置にいる存在、といえるのではないでしょうか。

その宇宙ビジネスですが、300億円の市場が見込めるといわれています。一方で、アジア市場などにも拡大させれば、3,000億円とか、3兆円にも拡大できるといった見方もあります。ただ、我々としては現段階ではそういった見方には懐疑的で、もっと足元の堅実性を見ています。

堀江さんの知名度やロケット打ち上げというロマン性も奏功して、同社はロケットや発射台などを広告メディアにしています。これがIST社の資金調達力ですね。

「みんなのロケットパートナーズ」という応援組織には、丸紅などの大企業やJAXA、大樹町などが名を連ねているし、クラウドファンディングに応じてくれる堀江さんのファンがたくさんいます。

宇宙ビジネスにチャレンジする人たちを応援する意義

③

-「大樹町ロケットファンド」のスキームについて教えてください。

投資家を集め、シーラや杉本個人、堀江さん個人、さらにIST社のサポーターも加わって任意組合を組成します。計画では、一般投資家の出資割合が94.25%を占めます。

投資家は出資分に応じてこの工場の土地建物を所有する形となり、その分配金を不動産所得として受け取れます。分配金の利回りである5.91%は利回りくんの物件の中では、かなり高いですが、その分、大樹町という地方であることによるリスクもあります。

5年で約30%の収益が得られますが、その時点で売却する場合に物件の価値が半減していたとすれば、20%の損となります。

しかし、それを“損”と捉えるような方は、このファンドの投資には向いていないかもしれません。

募集対象のペルソナとしては、宇宙が好きで宇宙ビジネスを応援したい、堀江さんやIST社の夢を応援したいといった濃いめのファンの方が多いのではないでしょうか(笑)。そういった方にとっては、20%は損と感じないのかもしれませんね。

-「大樹町ロケットファンド」の意義について、どのように考えていますか?

JAXAが小惑星探査機の「はやぶさ」を成功させるなど、日本は宇宙開発に関わる先進国といえます。最近は民間でも宇宙ビジネスにチャレンジするベンチャーが出現し、IST社もそのうちの1社です。同社への支援は、次世代の産業である日本の宇宙ビジネスの発展に繋がる意義のあることといえるでしょう。

大げさな理由はなくても、宇宙ビジネスにチャレンジする人たちを少しだけ応援して、夢やロマンを感じることだけでも十分に価値はあると思います。

今の時代、日々の生活に追われて大変な思いで毎日を過ごしている人が増えていると思います。そんな殺伐とした世の中にあって、広い宇宙に思いを馳せる意義も少なからずあるのではないでしょうか。

それだけでなく、応援投資の見返りとして利回りが付くのです。ぜひ、そこに着目して投資を検討していただければと思います。