ポイント投資にかかる税金について解説|投資の前に確認しておこう

「投資に興味はあるものの、投資によって現金を減らしたくない」という人も多いのではないでしょうか。投資による損失が気になるなら、現金による運用ではなく、貯めたポイントを運用していく方法もあります。

それがポイント投資です。貯まったポイントで運用するため、現金が減らないことが魅力のひとつです。しかし、想定以上に税金がかかるなどの落とし穴はないのでしょうか。今回は、ポイント投資と税金の関係について詳しく解説していきます。

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ポイント投資に税金がかかるかどうかは「運用方法」によって変わる

Coins,Money,Increase,To,Profit,For,Concept,Investment,Fund,Finance 投資対象になる株式や投資信託などを購入して、売却(譲渡)したときに利益が発生すれば、その利益に対して税金がかかるでしょう。その仕組みは、ポイント投資に関しても例外ではありません。運用方法次第では税金がかかることもあります。 そこで、ポイント投資と税金の関係を整理する上でまず知っておきたいのが、ポイント投資の方法です。ポイント投資には、運用型と投資型の2つの方法があります。 ポイント運用型は、ポイントのまま運用を行うタイプ。株価などと連動して投資したポイント数が変動するものの、現物を購入するわけではなく、ポイントのまま所有することになるため、運用終了時にはポイントとして払い出される投資方法です。 もうひとつは、ポイント投資型現金化して、株式などの金融商品を売買する方法で、運用終了時には現金で払い出されるタイプです。 運用型、投資型、どちらの方法だと税金がかかるのかは、次項から具体的に解説していきます。

「ポイント運用型」は基本的に税金がかからない

Young,Asian,Man,Using,Smart,Phone,Investment,Image 結論からいうと、運用型で増えたポイントを払い出す場合、基本的にその増加した分(利益)については課税されないと考えて問題ありません。では、どのような仕組みになっているのでしょうか。 ここでは、運用型のポイント投資と税金の関係について解説します。

ポイントで得た利益は「一時所得」となる

ポイントの払出しによる利益であっても、その利益分は所得と考えますが、運用型の所得は、通常の投資のように譲渡所得ではなく、一時所得に区分されます。 一時所得とは、臨時的に得た所得をいいます。運用型で増えたポイント以外で一時所得になるのは、保険の解約返戻金や一時金(所得は払込保険料を差し引いた額)、懸賞金などです。 一時所得には、所得税を計算する際、50万円の特別控除があります。50万円までであれば、その所得をなかったものとして税金を計算するということです。つまり、一時所得に該当する年間の利益が50万円を超えなければ税金はかかりません。 ポイントによる利益以外に一時所得があるときは注意が必要ですが、ポイント投資の多くは取引金額が少額です。ポイント運用型投資だ けでの利益で特別控除の50万円を超えるケースはほとんどないため、基本的に税金がかかりません。

確定申告は基本的には不要

それでは、確定申告はどうなるのでしょうか。所得税の確定申告は、基本的に納税額や還付金があるときに行います。一時所得には50万円の特別控除がありますから、所得が一時所得のみの場合、50万円を超えない限り確定申告は必要ありません。 また、仮に50万円を超えて一時所得があったとしても、ほかの所得の有無、所得控除(所得から控除できる項目)次第で確定申告をしなくて良いケースもあります。 たとえば、ポイント投資以外に収入のない人は、基礎控除(所得控除の一種)48万円が自動的に控除されますから、一時所得が50万円を超えても、超過分が48万円を超えなければ、確定申告は必要ありません。 また、一時所得は50万円を超えても、課税対象になるのは2分の1と決められています。給与所得者である会社員は、給与以外の所得が20万円以下のときは申告が不要のため、以下の計算により一時所得90万円までであれば確定申告は必要ありません。 90万円-50万円(一時所得の特別控除)×1/2=20万円(一時所得の額) 一時所得20万円以下、給与所得以外が一時所得のみだったときは確定申告不要。

「ポイント投資型」は税金がかかる可能性が高い

Tax,Calculation,And,Settlement,Agreements,In,Office 次に、ポイント投資型と税金の関係について解説します。

現金を使って実際の商品へ投資を行うから

結論からいうと、投資型は税金がかかる可能性が高いです。理由は、現金化して株式や投資信託など実際の金融商品に投資することから、現金による投資と同等と考えるため。 現金による投資と同じ所得区分になることから、投資型による利益は、一時所得ではなく上場株式等の譲渡所得に区分されます。 上場株式等の譲渡所得は、分離課税で、地方税と復興特別所得税含め、利益に対して20.315%の課税です。一時所得のような特別控除、課税所得の減額はありませんので、ポイント運用による利益があれば、利益分に対して税金がかかります。 ただし、非課税口座であるNISA口座を開設しており、NISA口座内でポイント投資を行った場合は、非課税限度額(NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円)までは税金がかかりません。

基本的には確定申告は不要

証券口座を開設する際、口座の種類を選択できます。源泉徴収ありの特別口座を開設しており、その特別口座内でポイント投資を行ったのであれば、確定申告は必要ありません。 源泉徴収ありの特別口座は、金融商品を売却(譲渡)したときに、売却益から金融機関が税金分を差し引き、残りの額が入金される仕組みとなっているためです。売却時に源泉徴収された税金は、金融機関が代わりに納税します。 源泉徴収ありの特別口座やNISA口座以外だと確定申告の手間がかかりますので、上場している金融商品や一般的な投資信託に投資する場合は、源泉徴収ありの特別口座やNISA口座を選択するケースが多いです。そのため、基本的に確定申告は必要ないといえます。

結局のところ、ポイント投資はどちらを選べば良いのか?

Young,Woman,With,Question,Marks. ポイント投資について、運用型と投資型を説明してきましたが、結局のところどちらを選べば良いのでしょう。ポイント投資の方法は、目的によって選択するのがおすすめです。

税金が気になるなら「ポイント運用型」がおすすめ

ポイント投資による税金が気になるのであれば、おすすめは運用型です。先に説明したように、運用型の利益は一時所得になるため、特別控除を差し引くと、ほとんどの場合で税金はかかりません。 仮に課税されるほど利益があったとしても、課税所得は特別控除を差し引いた額から、さらに2分の1の額になりますので、節税できる額がポイント投資型比べて大きいです。 基本的には、税金を気にすることなく気楽に投資できますので、税金対策をしつつポイントを増やしたいのであれば、運用型が向いています。

本格的な投資体験をしたいなら「ポイント投資型」がおすすめ

投資型は、原資がポイントというだけで、実際の金融商品への投資と変わりません。利益があれば税金がかかりますが、本格的な投資体験をしたい、投資により現金を手にしたいのであれば、ポイント投資型がおすすめです。

まとめ

ポイントを利用したポイント投資であっても、利益があれば税金がかかることがあります。税金を気にするのであれば、ポイント投資の方法もよく確認しておきましょう。投資による利益を重視するのであれば、ポイント投資だけでなく、少額から投資できる金融商品も選択肢として考えると良いです。 また、ほかにも「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」など、投資初心者でも利用しやすいように、長期投資向けの信託報酬が低い少額投資も近年は人気を集めています。 ポイントを使って、いきなり株式などに投資するのではなく、投資の勉強のために少額投資を活用するのもありです。 少額投資なら、応援型不動産クラファン「利回りくん」という選択肢もあります。「利回りくん」は、ひと口10,000円から出資できる、初心者向けのリスクの低い少額投資商品です。 投資による配当金を得られるだけでなく、特定のコンセプトをもつ不動産物件に投資することで、社会貢献や地域創生などの支援ができる点が大きな魅力です。投資はもちろん社会貢献にも興味がある人、低リスクで少額投資したい人は、「利回りくん」も候補に入れてみてはいかがでしょう。 ▼「利回りくん」の詳細と無料登録はこちら